はじめの第一歩
そしてついに私は一歩目を踏み出した。
例のBBQに誘ってくれた友人も勉強会に参加しているということでその友人と会場へ向かった。
とあるビルの会議室だった。
受付にはお洒落メガネをかけてキツめのスーツをビシッと決めてツーブロックスタイルのいかにも仕事出来ます感のお兄さんが立っていた。
友人にまずその受付のお兄さんを紹介してもらった。
彼は私の1つ上だった。
今は脱サラして必死にがんばっているとのこと。
前職はなんと某テレビ局のプロデューサーだった。
(そこまで登りつめて仕事を辞めたのはなぜ?)と疑問を隠しきれなかったが、もう入場の時間だったので、また聞けるだろうと思い部屋に入った。
ちなみに参加費は会議室の部屋代をみんなで割っているとの事だったので500円だった。
もっと取られる覚悟をしていたので単純に安いな、と思った。
部屋には20人くらいの人がいて、それぞれのテーブルに1対3くらいの人数で話し合ってる様子だった。
奥の席にゆるふわパーマのスーツの女性が笑いながらこっちにおいで!と誘ってくれた。
自然な笑顔で笑う綺麗な女性だった。
時間は1時間しかないとの事なので、簡単な自己紹介をし合ってついにはじまった。
私の成り上がる第一歩が。
女性はまずこう言った。
「ざっくり分かる範囲で良いからこの紙に今の家計簿を書いてみて?」
私は断る理由はなかったので、書きはじめた。
正直私の家庭の家計簿はそこらへんのファイナンシャルプランナーからすると赤点も赤点だと思う。
「贅沢しすぎよ!」とお姉さんに怒られそうだったので、かなり慎重に想定する少なめの金額を記載していった。
お姉さんは優しく言った。
「私は別に大智くんの家計簿の金額を知りたいわけじゃないの。笑
おそらくこれは今の家計簿でこれから子供が増えたらもっとお金がかかる。
家を買えばここにローンが加わる。
車を買えばここに車の維持費がかかる。
大智くんの給料が少し上がることを計算しても今のこの家計簿から削るところが多いよね?」
(それくらい分かってますよ、舐めてるんですか)と素直に思った。
お姉さんはすごくキラキラした感じでボールペンを走らせながら言った。
「解決策は簡単な話、収入を増やせばいいだけ。私は人生を歩んで行く中で我慢したくない。値段を見て物も買いたくないし、世界中旅行したい。その為にはお金があれば全部解決する!」
(めっちゃ簡単に言ってくれるやんけ、、それ出来たら苦労せんねん)
そしてお姉さんは言った。
「大智くん広告代理店でしょ?話は聞いてる。私も3年前は広告代理店で働いてたんやで! 広告営業も楽しかったし、まわりの人もいい人ばっかりでいい思い出ばっかり! 大智くんならわかってくれると思うんやけど、どれだけ稼いでも給料同じやろ? 忙しいわりに将来の給料なんて想像出来るし、このままじゃ人生でしたいこと半分も出来ひん。だから辞めた!」
私は今の仕事の境遇と似すぎてて、お姉さんにめちゃくちゃ親近感が湧いた。
私「それでお姉さんは何で稼いでるんですか?」
お姉さんはまた優しく微笑みながら言った。
「それは今後のステップを踏んでいったらゆっくり教えるね」
怪しい仕事してんのか?って普通に疑問に思った。
お姉さんは続けて話した。
「大智くん、チームビルディングって知ってる?」
私はこれは噂のネズミ講的なやつなんじゃないかと疑いはじめた。
「いえ、知りません」
お姉さん「チームビルディングっていうのは分かりやすく説明すると組織で1つのゴールに向かって進むこと。最近知り合いが大阪のとある駅でパン屋をはじめたの。その人にはかなりのファンがいて、その人がパン屋を建てたその日に人は大行列。 今も行列が続いてて、その人は寝ながらお金が入ってきてる。その人はパン屋の他にも店のオーナーをしていて、毎月300万の不労所得が入ってる! パンの味や立地ももちろん大事だけど、自分のファンさえ多くいれば何しても儲かる。 それがチームビルディング」
すごく分かりやすい説明だった。
ここではお姉さんが基本喋ってるようなニュアンスで書いているが、実際お姉さんはとても聞き上手で私が身の上話などを話していることが多かった。笑
そのまま1時間が過ぎた。
お姉さんは言ってくれた。
「大智くんはじめてなのにすごい世の中のこと良く知ってるね! 話し上手だし、絶対伸びるよ」
私はめちゃくちゃ嬉しかった。
そしてこの女性の魅力が分かった。
この女性は、人の話を聞き出すのが上手い、また話を聞いて欲しい!
この女性のことを嫌いになる人いないだろうな、って思った。
「じゃあ次の勉強会までの宿題!
トップ1%だけが知っているお金の真実っていう本を読んでくること。それと今思いつく自分の目標を100個書いてくること。お願いね!」
私の中の炎がつき始めたことに気づいた1日だった。
その帰りまた勉強会に参加していた人を紹介してもらった。
彼はなんと慶応卒生。
真面目だけど、ちょっとボケてるところもあって好感が持てた。
この慶応卒生を勝手に私のライバルに認定した。笑
お金持ちが学歴ではないことを証明してやる!!
友人は私がやる気に満ちているのが嬉しかったみたいだった。
そして私は成り上がるための1歩を踏み出した